山梨県史跡 於曽屋敷(おぞやしき)における野外実習
2013年9月7日?14日、帝京大学文学部史学科考古学実習および大学院文学研究科考古学総合実習による学術調査を山梨県史跡 於曽屋敷(おぞやしき?甲州市塩山下於曽所在)において実施しました。
県史跡 於曽屋敷は、甲州市塩山?JR中央線塩山駅南に所在する約100m四方の方形居館で、周囲に土塁と堀を巡らした中世居館跡の典型例とされています。現在、於曽屋敷は東側半分が都市公園(於曽公園)、西半分は宅地となっており、これまでに二度、宅地開発に伴う発掘調査が実施されています。しかしながら、館の成立時期、館主の人物像、館の構造、館内の建物配置とその性格などの諸課題に関しては明らかになっておらず、また於曽屋敷に関する史資料は少なく、歴史的経緯は詳らかでないのが実情であり、考古学的調査に対する期待が寄せられてきました。
今回の野外実習では、館跡内の試掘調査を実施して於曽屋敷の歴史を探るとともに、館跡の現状地形の観察?測量、周辺の土地区画?水路等の調査、石造物の調査、これまでの調査履歴の集成など、発掘調査に関わる知識?技術を学ぶことを目的に実施しました。
なお、今回の歴史考古学を対象とした大学院生?学部生合同の野外実習を実施するにあたっては、山梨県教育委員会文化財課、甲州市教育委員会、甲州市文化財審議委員の方々に県史跡における実習に対してのご理解?ご協力を頂戴しました。心より感謝申し上げます。
【調査風景】
【調査組織】
調査主体者 南 啓治(帝京大学文学部史学科科長)
調査担当 櫛原功一(帝京大学文化財研究所研究員?大学院非常勤講師 考古学総合実習担当)
実習参加者:12名
調査指導者
阿部朝衛(帝京大学大学院教授)
萩原三雄(帝京大学大学院教授?帝京大学文化財研究所所長)
今村啓爾(帝京大学大学院教授)
高木暢亮(帝京大学文学部講師)
塩谷風季(本学OB)
土屋健作(本学OB)
河西 学(帝京大学文化財研究所?大学非常勤講師)
畑 大介(帝京大学文化財研究所?大学非常勤講師)
望月秀和(帝京大学文化財研究所)
調査協力 本学OB 諸氏、山梨県教育委員会文化財課、甲州市教育委員会、甲州市文化財審議委員の皆様
技術支援 株式会社テクノプラニング