2024年11月08日
2024年10月9日(水)?11日(金)、パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)で開催されたBio Japan2024に、帝京大学産学連携推進センターから本学薬学部助教 谷津智史が研究を出展しました。
Bio Japanは創薬?ヘルスケア?エネルギーなど多岐にわたるバイオ産業のビジネスマッチングを目的としており、国内?海外の多くの企業や研究機関との共同研究や研究の商業化を促進させるイベントです。各国?各地域から企業や大学などが多数参加し、3日間の来場者総数は18,003人にのぼりました。
本展示会にて、谷津助教は「ビタミンDアナログライブラリーを用いた糖尿病網膜症治療薬の開発研究」を紹介し、連日、多数の来場者が訪れ最終日にはプレゼンテーションも行い企業や研究機関などさまざまな方と活発な意見交換が行われました。
谷津助教の研究は、糖尿病網膜症の予防?治療薬としてビタミンD類縁体(アナログ)が有効である可能性を見出したものです。
糖尿病網膜症とは、糖尿病の三大合併症の一つであり、日本では毎年約3000人が糖尿病網膜症により失明しています。糖尿病網膜症は、血糖値のコントロールが悪い期間が続くと進行しつづけ、進行が進むにつれ治療が困難となるため、初期段階で進行を抑制できる薬剤の開発が待望されています。また、近年では糖尿病網膜症の増悪化とビタミンDの欠乏が関連することも報告されています。そこで谷津助教は、糖尿病網膜症の予防?治療薬としてのビタミンD類縁体(アナログ)の開発研究を現在進めています。本薬剤はこれまでの薬剤に比べて、初期段階での予防?治療効果が認められる可能性があるため、社会的なニーズが高いと考えられます。
本研究は現在、特許出願中であり、将来的には内服薬や点眼薬など、患者さんや医療従事者にとっても使いやすい薬剤とすることをめざしています。
今後も本学は、保有する知的財産を積極的に社会に還元し、研究者の研究活動を応援していきます。