昨今の社会的なニーズの高まりを受け、心理職の国家資格について定めた「公認心理師法」が2017年9月に施行されました。本学では、臨床心理士や臨床発達心理士などの受験資格に加え、この公認心理師の受験資格も取得できるように学部?大学院ともに2018年度より公認心理師養成にも対応したカリキュラムを構成し、さまざまな支援環境を整えています。
公認心理師とは、心理学への専門的知識やスキルを持つことを証明する国家資格です。
病院等の保健医療領域や福祉領域、学校等の教育領域、企業等の産業?労働領域、司法?犯罪領域で、他の専門家と協力しながら、心理的な支援が必要な方の現状の把握や相談を行います。また、地域の人びとに心の健康について学んでもらう機会を提供することも大事な活動のひとつです。
公認心理師国家試験の受験資格を得るには、学部在学中に公認心理師受験に必要な科目を修得して卒業した後、大学院で必要な科目を履修し修了するか、認定を受けた機関における実務経験を積む必要があります。
心理学科では、3年次から公認心理師プログラムを履修できます。公認心理師プログラムは、心理演習ⅠⅡ?心理実習ⅠⅡ?公認心理師の職責から構成され、心理演習?心理実習を通年で開講しているのが特徴です。また、大学院文学研究科臨床心理学専攻のカリキュラムとの連続性を意識したカリキュラム構成をしており、心理学科?臨床心理学専攻修士課程、ひいては博士課程での教育を通して、臨床実践と研究の双方を学修した実践家を育成します。
2019年9月に実習室や演習室を大幅にリニューアルしました。国内最大級のプレイルームを有し、幼少期における子どものリアルな発達ダイナミズムに触れることが可能となりました。これにより行動観察の視点を養うことができ、また観察して得られたデータを研究として扱うことで臨床実践と研究の双方向からのアプローチが可能となっています。
帝京大学に隣接する帝京大学心理臨床センターは、地域に開かれた実際の臨床の場となっています。また、地域のニーズに応えられる専門性を身につける場として、修士課程および公認心理師プログラムの実習場所でもあります。来談者へのカウンセリングや受付?電話対応などから、実際の現場で求められる技術の習得をめざしており、臨床心理学専攻を修了後も、修練生として学ぶことができるサポートも行っています。
本学では、公認心理師の活躍の場とされる「保健医療領域」「福祉領域」「教育領域」「産業?労働領域」「司法?犯罪領域」の5領域すべての実習を行うことができます。これが実現できるのは、5領域をカバーできる豊富な教員陣と帝京大学小学校?帝京大学幼稚園などの附属機関を活用できるためです。
本学では、各分野で活躍する国内屈指の専任教員数を有しています。動物実験から社会心理や臨床心理など、教員の専門領域が幅広いことも特徴です。
公認心理師等実習支援室(以下、支援室)を開室し、資格取得のサポートを行っています。支援室には専任教員が常駐しており相談を受け付けています。公認心理師のみならず臨床心理士?臨床発達心理士?認定心理士(心理調査)など、心理学を用いた資格全般の相談や、科目履修の相談、実習に関する質問も可能です。心理実践カリキュラムの充実に向けて提言し、よりよいものを提供できるよう日々改善をしています。
臨床心理学専攻では、公認心理師だけでなく、臨床心理士や臨床発達心理士の受験資格も取得することができます。この3つの心理専門職の受験資格を同時に取得できる専攻は全国でも限られています。
2017年9月の公認心理師法施行日前に心理系の大学や大学院に入学した人が、公認心理師国家試験を受験することができないという事態を避けるため、「受験資格の特例」が設けられています(公認心理師法附則第2条)。
詳細については、大学(他大学から本学大学院に進学した方は、通われていた大学)にお問い合わせください。
大学院文学研究科臨床心理学専攻修士課程における科目読み替え表
修了証明書?科目履修証明書発行についての詳細は下記をご覧ください。
また、本学大学院文学研究科臨床心理学専攻修士課程修了者対象発行については、作成期間が2週間程度かかります。