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福岡医療技術学部 医療技術学科 救急救命士コース
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地域医療に貢献する
「救急医療のスペシャリスト」をめざす
病院前救護において救急車の出勤件数は年々増加傾向にあり、救急救命措置を必要とする傷病者も多く見られます。救急救命士は現代の医療現場において欠かせない存在となっており、病院前救護を実践できる専門的知識と技術、冷静な判断力を身につけ、即戦力となる救急救命士を養成します。
「救急救命士とは」
救急現場や災害現場で活躍する「病院前救護のスペシャリスト」です。救急隊員では行うことのできない高度な気道確保や心拍回復のための静脈路確保(点滴)と薬剤投与といった救急救命処置を医師の指示のもと行うことが可能な資格で、より高い知識やそれに基づく正確な判断力、確実に処置を行う高度な技術力が必要となります。
「実技試験を実施」
救急処置実習では教育効果確認のための各スキルチェックを実施します。心肺蘇生、バイタルサイン(呼吸、脈拍、血圧)測定、気道管理、器具を用いた異物除去、止血法、四肢固定、頸椎固定、全脊柱固定、搬送法(徒手搬送、ストレッチャーによる搬送)など個人のスキルから隊連携のスキルまで多岐にわたり、最終的には各事例のシミュレーションで隊活動を評価します。
救急医療の専門的立場から、地域社会の医療?保健?福祉等に求められる課題に広く貢献できる実践力と課題解決能力を持つ救急救命士を育成するために、技術や知識を身につけるカリキュラムだけでなく、地域と連動した多彩なカリキュラムを用意しています。
生物学
地球上には大腸菌から人間までさまざまな生物が生活しており、その多様性は驚くほどのものです。しかし、その反面、エネルギーはATP(アデノシン三リン酸)を使う?遺伝子はDNAを使う?細胞という基本構成単位でできているなど共通性もあります。地球上の生物のひとつである「ヒト」という種の特異性と、他の生物との共通性を学ぶことにより、多くのヒトの疾患?行動を生物学的に理解し、日常生活の質であるQOL(quality of life)を高めることができるようになります。また、生物学は高次学年の専門科目の基礎になるものであり、その内容への理解がしやすくなることも目標としています。
医療コミュニケーション学
医療分野に限らず、日常のさまざまな場面でコミュニケーション能力が求められます。本授業では、社会人のマナーとしてのコミュニケーションはもちろん、医療従事者としてのコミュニケーションを学びます。医療コミュニケーションとは、医療従事者間、医療従事者と患者間、患者相互における医学?医療分野に関係した知識や情報のやりとりを意味しています。医療の高度化と専門化が進み、また、複数の専門職が組織的に取り組む「チーム医療」が重要視される中、これらを実践していくには専門職間の情報の共有と連携が不可欠であり、それに柔軟に対応できる基本的な方法論を学びます。
基礎医学
救急救命士が行う現場での活動(観察、判断、処置、搬送)は、医学的知識に基づいて行われます。救急救命士として、現場活動を行う上で必要とされる医学的知識は最終的には膨大なものとなり、知識の更新も必要となりますが、まずは基本となる人体の構造および機能にかかわる基礎的知識を講義形式にて学修します。また、疾病の病因と成り立ち(病態発生)、経過および変化とそれに対する処置の必要性や効果をはじめ、メカニズムも総合的に学ぶことで、そのほかの専門基礎科目(解剖学、生理学、症候学等)への理解を深めます。
救急処置各論
1年次から開講される本授業は、単に救急救命処置について深く学ぶだけではなく、医学の専門的知識を基盤とし、救急救命処置を行うべき病態?病候とその現場活動についてさらに深く学びます。主に医師が担当する専門科目の進捗とあわせて段階的に外傷から各種疾患に対する現場活動や特殊な状況、心肺停止に至るまで系統立てて学びます。
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救急処置実習
高度な医療技術の実践能力習得のためには、実習で基本的な手技を習得するとともに、シミュレーションを通して、総合的な判断能力を身につけることが必要です。本授業では、それまでに得た知識?技術をもとに、救急救命士としての基本的な技術である救急救命処置だけではなく、生命危機にさらされた傷病者に対する心構え、および態度を、消防機関が実施している「規律訓練」を取り入れて学びます。さらに、病院前救護を担う救急救命士には、強靭な体力も要求されるため、自己の身体能力を客観的に評価し、向上することもめざします。
常に人命にかかわる緊張感のある場面で医療活動を行うため、冷静な判断力や迅速な対応が求められます。そのため、日々の学習の中で積極的にシミュレーション実習を行い、現場での対応力を身につけていきます。その上で、3年次後半から学外実習を行い、実践力を高めることをめざします。
実習では、基本的な手技を習得するとともに、さまざまな想定訓練を通して、総合的な判断能力と救急現場での対応力を身につけます。また、講義と実習を組み合わせることにより、知識の定着を図るようにプログラムされています。
救急車同乗実習
本実習では、これまでに学んだ知識を用いて実際に消防?救急活動で必要となる力を身につけます。救急車に同乗して救急現場へ行き消防機関における救急救命士の業務を理解することで、現場での観察と評価、処置、搬送中の注意点などの実際を学びます。また、救急救命士の業務を間近に見ながら、救急救命士の責任と自覚を養い、病院前救護におけるメディカルコントロールの重要性を再確認します。主な実習内容は、救急車内活動、救急現場活動、ストレッチャー収容および搬送、医療機関等との連絡、医師への引継ぎ、カンファレンスなどを行います。
救急処置実習Ⅸ(病院実習)
病院における実習を通して、病院前救護で活躍できる実践能力を養い、メディカルコントロールの重要性を学びます。救急初療室や重症救急患者に必要な集中治療の実際を見学し、患者さんの回復過程について学び、救急現場での重要度?緊急度判断ならびに医療機関が求める傷病者情報の提供について理解を深めます。主な実習内容は、心肺停止患者に対する救命処置、心肺停止以外の病態に対する救命処置、医療従事者の業務および連絡、患者さんおよびその家族に対するコミュニケーションなどです。
大牟田市消防本部、みやま市消防本部、柳川市消防本部、筑後市消防本部、八女消防本部、有明広域行政事務組合消防本部、大牟田市立病院、福岡大学病院、北九州総合病院、小波瀬病院、久留米大学病院、聖マリア病院、公立八女総合病院、ヨコクラ病院、佐賀大学医学部附属病院、国立病院機構九州グループ長崎医療センター、熊本赤十字病院、国立病院機構九州グループ熊本医療センター、済生会熊本病院、荒尾市立有明医療センター、くまもと県北病院、大分県立病院、新別府病院、都城市郡医師会病院、米盛病院 ほか
(2024年4月現在)
成績評価制度として、GPA制度を導入しています。学修成果をGPAという客観的な数値で評価することにより、成績評価をより明確にし、学生の皆さんの学修指導に役立てることを目的としています。また、この制度は欧米の大学で一般的に採用している成績評価制度に概ね準拠しています。
評価点 | 評価 | GP | 合否 |
---|---|---|---|
90点以上 | S | 4.0 | 合格 |
80点台 | A | 3.0 | |
70点台 | B | 2.0 | |
60点台 | C | 1.0 | |
認定 | N | 対象外 | |
保留 | H | 対象外 | 保留 |
60点未満 | D | 0.0 | 不合格? 「成績証明書」には記載されません。 |
試験欠席 | 欠席 | 0.0 | |
受験資格無し | 無資格 | 0.0 | |
休学 | K | 対象外 | |
放棄 | 放棄 | 0.0 |
福岡医療技術学部における学修は単位制に基づき行われます。単位制とは、すべての科目に一定の単位数が定められ、その科目の授業および準備学修(予習?復習など)の後、試験やその他の方法によって合格した場合に、その定められた単位数を修得することをいいます。
科目には、講義?演習?実験?実習?実技の5種類があり、特別な科目以外は半期で終了します。それぞれの科目は次の基準によって計算します。各科目の単位数は、履修表を参照してください。また、当然ながら準備学修(予習?復習など)も必要です。シラバスでは準備学修について説明をしていますので、計画的に学修を進めてください。
単位
学修時間を基に決められており、授業の方法および授業の教育効果などを考慮し、1単位は45時間(講義の場合、授業15時間、予習15時間、復習15時間)の学修が基準です。
授業の方法 | 授業時間 | 準備学修(予習?復習など) |
---|---|---|
講義?演習 | 15~30時間 | 30~15時間 |
実験?実習?実技 | 30~45時間 | 15時間 |
科目の受講が終了し、試験に合格したものと認定されると、その科目の単位を修得したことになります。卒業要件に1単位でも不足すると卒業できません。計画的に履修していくようにしましょう。
科目区分 | 必修?選択の別 | 所要単位数 |
---|---|---|
教養分野 | 必修 | 15 |
選択 | 8 | |
専門基礎分野 | 必修 | 25 |
選択 | 17 | |
共通専門分野 | 必修 | 両分野合わせて必修科目30単位選択科目29単位以上 |
選択 | ||
専門分野 | 必修 | |
選択 | ||
合計 | 124 |