- 福岡キャンパス
福岡医療技術学部 作業療法学科
- 福岡キャンパス
高い専門性を持った
人間味豊かな作業療法士を養成します
作業療法士は「疾病を治すのではなく、暮らしを治す仕事」といわれます。作業療法学科で高い専門性と豊かな人間性も兼ね備えた人材を育成するセラピスト教育を実践し、充実した臨床実習により医療現場での対処力とチーム医療に必要なコミュニケーション能力を身につけます。
沖ゼミ:「筋電義手」の製作
3Dプリンターを用いた筋電義手を製作しています。筋電義手とは、筋肉からの微弱な電流である表面筋電位を感知して動く義手の一種です。高価なため日本での普及率は少ないものの、3Dプリンターの登場により、安価での製作が少しずつ可能になっています。
ゼミの学生は3Dプリンターでパーツの印刷から組み立てまでを行い、将来的に、必要としている方へ提供できるように試作を行っています。失ったものを元どおりにすることはできなくとも、快適に生活ができるよう、本来あるべき状態に極力近づけることをめざす作業療法学を学んでいます。
1年次では医療従事者としての基礎、およびリハビリテーションの基礎的知識を身につけます。2年次からは講義や演習を通して作業療法の基礎知識を広く学び病気や障がいについての理解を深め、3年次からは作業療法の専門分野の技術や評価方法を学び、臨床実習で実践力を身につけます。4年次は臨床実習で実践力を養い、同時に国家試験の準備を進めます。
社会生活行為作業療法学
人間生活の営みとは人間の行う“作業”であり、“動作”“活動”“行為”そのものであり、人間の本能と深いかかわりにより表出される“言動”と考えられます。作業療法はこれら人と人との生活の営みを第一に重視し、作業療法士は人間の生活機能や障がいの構成要素とそれらの因果関係を確かめながら、生活機能障がいの構成要素を理解してリハビリテーションの手段を考えます。本講義では社会生活行為(activity of social life;ASL)という人間の行動?行為を捉える理由として、作業療法がまさに行動や行為をその治療?援助手段として活用しいる点に重きを置き、学習していきます。
作業療法概論
作業療法の基礎となる概念や歴史を知り、作業療法士としての資質?適性を理解するための講義です。作業療法を学習するにあたって必要とされる一般基礎知識を理解し、身体?精神?発達?高齢期の各専門領域についての概要が説明できることをめざします。授業は、講義だけでなく一部実技形式でも行います。教科書や参考書だけでなく、パワーポイントなどの視聴覚教材、および実技も用いることで、具体的で理解しやすいようにしています。
基礎作業学実習
自分が毎日行っていることについて「作業」の視点から考えていきます。普段、自分が知っているつもりの作業について、改めて作業療法の視点で分析を行っていくと違った世界がみえてきます。本講義を機会に自分の日々の生活を作業の視点で振り返り、まずは自分自身の生活をよりよいものに変えていくことを考えることは作業療法の実践の大きなヒントにつながります。前半は、グループの中の一人のある作業を事例としてその作業について実際にインタビューをし、対象者にとっての「作業」の意味を本人とともに考え発表します。後半では身の回りの作業(身支度)や仕事生産的作業(料理?洗濯その他)、レジャー活動(革細工?陶芸?ミサンガ作り?その他)など色々な作業を実際に体験して、「作業」の形?機能について楽しく学習していきます。
身体機能評価学演習Ⅰ?Ⅱ
基本的運動機能の評価に使用されている形態計測法や関節可動域の測定、筋力検査法などの評価法について学んだ「身体機能評価学」に基づく、評価の実践的な技術の習得を目的とした授業です。演習や実技を通して各評価法の技術を習得し、さらに習得した技術を各対象者の評価につなげていきます。また各対象者の病状に合わせた評価法も学びます。
精神機能評価学演習
精神障がい領域のリハビリテーションで用いる作業療法に関連する評価や、作業療法の評価について学習します。この授業の目的は、精神科領域での評価の項目?目的?内容?実施方法の概要を知り、その関連性について理解することです。具体的には「1.精神障がい領域における作業療法関連評価において目的に一致した評価を選択し、述べることができる」「2.精神障がい領域における作業療法関連評価の分類を列挙しそれらの関連性、目的、方法、概要を説明できる」「3.精神障がい領域における作業療法関連評価の情報収集?観察の具体的方法を説明できる」「4.行動評価法の目的?手順を説明できる」「5.質問紙法?投影法の内容?目的を説明できる」、この5点を目標としています。
発達過程作業療法学
健康な子どもの発達過程を教科書や視聴覚教材を使って講義します。また発達に問題を持つ子どもを捉えるために、感覚機能、運動機能、認知機能、心理機能、社会的機能を評価する評価法や検査法について説明します。また発達途上にある対象児について、生物学的視点と心理?社会的視点からの評価法や検査法を学びます。
1年次に学びの土台を習得した後、2年次の臨床実習Ⅰより作業療法士としての知識?技術?および態度を身につけ、実践能力を高めていきます。また、施設で他職種のスタッフや作業療法を行う対象者とのコミュニケーション力を身につけることで、医療スタッフの一員になる意識を高めます。
作業療法学科では、1年次から「早期見学実習」がスタート。活躍が期待される現場を在学中から豊富に体験できるよう、実習の機会それぞれに異なる病院や施設で実施します。
臨床実習Ⅰ
学内の授業を土台とし、その一環として行う学外授業で、実習期間は2年次後期の2週間です。学外に出る前には学内にて現場の作業療法士からより臨床の感覚近い実技試験(OSCE)を受けて実力をつけてから現場での実習となります。実習の目的は、作業療法に必要な情報を選択し収集および分析を行うことです。
臨床実習Ⅱ
3年次後期に9週間と実習が本格化します。実習では引き続き、学生が診療チームに参加し、その一員として診療業務を分担、作業療法士の職業的な知識?思考法?技能?態度の基本的な部分を学びます。身心の諸機能における作業療法に関し、評価から治療に至る一連のプロセスを正しく理解し、効果的で安全な基本療法や情報収集ならびに情報発信を模倣?実践できるようになることをめざします。
臨床実習Ⅲ
本実習の期間は4年次前期の9週間です。これまで学んだ知識と実習での経験を元に、学生としてまとめの実習となります。実習の目的としては、作業療法評価?援助計画の立案を行いそれを実行することまでを体験します。その中で対象となる方の生活に密着した作業ニーズから、その方らしい生活を送れるように援助を行います。対象となる方が、その人らしさと笑顔を取り戻す過程を共有できるという作業療法の醍醐味を体験できる充実した実習になります。
OSCE(客観的臨床能力試験、通称「オスキー」)とは、すでにカナダの医師国家試験や米国の専門医試験等で採用されている医学生等の基本的な臨床技能を客観的に評価するための試験です。作業療法学科では実学の精神に基づき、基本的臨床スキルと態度を備えるために、2年次?3年次の実習前後にOSCEを実施しています。
久留米大学病院、福岡大学西新病院、福岡市民病院、佐賀県医療センター好生館、荒尾市立有明医療センター、福岡県済生会大牟田病院、福岡県済生会福岡総合病院、熊本大学病院、熊本労災病院、熊本機能病院、長崎原爆諫早病院、こぐま学園、誠愛リハビリテーション病院、ヨコクラ病院、高良台リハビリテーション病院、不知火病院、社会保険大牟田天領病院、川﨑病院、溝口外科整形外科病院 ほか
(2024年4月現在)
成績評価制度として、GPA制度を導入しています。学修成果をGPAという客観的な数値で評価することにより、成績評価をより明確にし、学生の皆さんの学修指導に役立てることを目的としています。また、この制度は欧米の大学で一般的に採用している成績評価制度に概ね準拠しています。
評価点 | 評価 | GP | 合否 |
---|---|---|---|
90点以上 | S | 4.0 | 合格 |
80点台 | A | 3.0 | |
70点台 | B | 2.0 | |
60点台 | C | 1.0 | |
認定 | N | 対象外 | |
保留 | H | 対象外 | 保留 |
60点未満 | D | 0.0 | 不合格? 「成績証明書」には記載されません。 |
試験欠席 | 欠席 | 0.0 | |
受験資格無し | 無資格 | 0.0 | |
休学 | K | 対象外 | |
放棄 | 放棄 | 0.0 |
福岡医療技術学部における学修は単位制に基づき行われます。単位制とは、すべての科目に一定の単位数が定められ、その科目の授業および準備学修(予習?復習など)の後、試験やその他の方法によって合格した場合に、その定められた単位数を修得することをいいます。
科目には、講義?演習?実験?実習?実技の5種類があり、特別な科目以外は半期で終了します。それぞれの科目は次の基準によって計算します。各科目の単位数は、履修表を参照してください。また、当然ながら準備学修(予習?復習など)も必要です。シラバスでは準備学修について説明をしていますので、計画的に学修を進めてください。
単位
学修時間を基に決められており、授業の方法および授業の教育効果などを考慮し、1単位は45時間(講義の場合、授業15時間、予習15時間、復習15時間)の学修が基準です。
授業の方法 | 授業時間 | 準備学修(予習?復習など) |
---|---|---|
講義?演習 | 15~30時間 | 30~15時間 |
実験?実習?実技 | 30~45時間 | 15時間 |
科目の受講が終了し、試験に合格したものと認定されると、その科目の単位を修得したことになります。卒業要件に1単位でも不足すると卒業できません。計画的に履修していくようにしましょう。
科目区分 | 必修?選択の別 | 所要単位数 |
---|---|---|
教養分野 | 必修 | 17 |
選択 | 2 | |
専門基礎分野 | 必修 | 40 |
専門分野 | 必修 | 65 |
選択 | 3 | |
合計 | 127 |