ゼミ紹介

教育行政、教育政策
国内外の教育政策の導入について、過程とその影響について分析する
このゼミでは、学生が各自関心のある教育のトピックを取り上げて、それがどのような制度の裏付けがあるのか、どのような過程で政策化されたのか、政策化されてどのような影響を教育に与えたのか、を明らかにしていきます。教科教育、学校経営、特別支援教育など教育に関係するもの全てはその裏付けとなる制度が存在します。今ある政策がどのように作られたのかを明らかにすることによって、政策の持つ課題などが浮かび上がってきます。教育政策をただ受け入れることをせずに、多角的な視点を持って教育政策分析を行っていくことで、教育に対する解像度を上げていくことができるようになります。
日本語教育、異文化コミュニケーション
日本語教育、異文化コミュニケーションを中心としたテーマを主に取り扱いますが、その他、学生各自が追求したいと思うテーマを見つけ、自律的?自立的に研究を進めていきます。ゼミでは、そのために必要な知識やスキルを身につけられるよう、個人?グループで活動します。特に、論文を読んで、内容を理解し、自分のことばでまとめる力がつきます。
このゼミは、一言で言うと「いろんな人がいる」ところです。上記のように、日本語教育や異文化コミュニケーションに関連することだけでなく、各自が自分のこれまでの経験や学びを振り返ることで、「自分だから取り組める」テーマを見つけることから始めます。これまでにも、日本語教育?英語教育?コミュニケーションなどだけでなく、LGBT、依存症、アスリート、家族、宗教など、幅広いテーマに取り組んでいます。研究テーマを見つけるときに、なぜそれを追求したいか、追求した結果どんな良いことがあるのか、ということについてそれぞれじっくり内省できることが大切だと思っています。テーマが決まったら、先行研究を探す、まとめる、研究課題を絞り込む、調査をする、分析をする、まとめる、といったある程度決まった方法で各自取り組んでいきます。これらについて、自分と異なる興味のある人の意見やアドバイスを相互に尊重し、協働的に学びます。自律的?自立的に取り組める人を待っています。
生涯学習、社会教育
公民館など社会教育施設における学習環境、および住民の学習活動と持続可能な地域づくりに関する研究
このゼミでは、教育の場を学校教育にとどめることなく、生涯にわたる学びや学校教育以外で行われる社会教育活動を研究対象とします。それは、人びとの地域づくりや地域課題、文化活動などにかかわる自主的で自律的な学習活動や、その環境づくりなどを「教育」として捉えていくものです。こうした理解を深めるために、ゼミ活動では、文献解題だけでなく実際に日野市の中央公民館や地域の方の活動への参加やインタビュー調査、スタディツアーなども行っています。また、ゼミのメンバー同士、さらには社会教育関係職員の方と議論することで、より深く探究することをめざしています。
体育?スポーツ哲学、身体文化論
スポーツや人間の身体が、今の私たちにとってどんな意味があるのかを探求します。
「スポーツ」では、「良い記録」や「勝利」がよく注目されます。しかし、それ以前に、人間はなぜスポーツに熱狂し、感動するのでしょうか。また、「運動が得意?苦手」と「運動が好き?嫌い」は、本来、別のことですが、教育の場面ではいつの間にか「苦手だから嫌いで、それは良くないこと」と思ってしまいがちです。多様な人びとが生きる現代社会では、「苦手だけど好き、“私”はそれも良いと思う」という考え方もあり得るはずです。このように「考え方を考えること」が哲学的な研究です。世の中の「当たり前」とされていることを疑い、さまざまな考え方を調べ、読書し、仲間と議論し、次世代を見すえて自分なりの考え方(哲学)を創っていきます。
社会科教育、市民性教育
多様化が進む社会で、求められる社会科教育や公民教育の役割を研究します。
欧米の公民教育や市民性教育との比較を通して、日本の学校教育や社会科教育で求められるカリキュラムや授業についての研究を進めます。そのうえで、教師が身につけるべき資質?能力に関する考察をするとともに、社会科の授業実践に必要な知識や技能を涵養することを目的とします。具体的には、指定されたテキストを用いて、ゼミ生が主体的に質疑応答を進め、疑問点などについてゼミ生全員で議論を行い、学校教育や社会科教育における課題を見つけ、その対応策の考察を試みます。
国際理解教育、多文化教育
「人種」「民族」をどう教えるか、太平洋教材開発、社会科教育
海外旅行に誰でも行くことができ、外国の文化や出来事をインターネットやテレビを通して知ることが容易な時代になりました。そして、私たちの地域には外国につながる人が共に生活するようになりました。一方、地球の気候変動や感染症の蔓延など、世界で協力して向き合うべき問題も発生しています。これらの中には楽しい側面と解決に向けて努力をしなければならない側面があります。こうした楽しさや課題をどのように教育の中で扱うことができるのか、文献研究?ディスカッション?ワークショップ?フィールドワークなどを通して学びます。時にはアジアの教職履修学生や外国からのゲストとの交流を通して楽しく学び合います。
特別支援教育、障害理解教育
知的障害教育における指導法、「障害」の社会モデルの理解に基づく支援
多様性の包摂(ダイバーシティ?インクルージョン)や共生社会の形成には、障がいの「社会モデル」の理解に基づき、個々の多様なニーズに応じた支援が必要です。本ゼミでは、主に生きることの困難さや学ぶことの困難さのある子どもたちをどのように理解し、支援すればよいのかについて考えます。また、教育現場に限らず、福祉?労働等の分野における現代社会の不均衡や諸課題の解決に関する研究も行います。「障がい」のメカニズムを、人的?社会的な環境との相互作用の中で理解し、支援を必要としている人を支えることで、自分も成長したいという学生を歓迎しています。
図画工作科教育、鑑賞学習
図画工作における鑑賞の環境づくりを通して大学生の教科観を深める実践の考察
-題材開発と作品展運営について現場教員と連携する学びの可能性ー
2021年より4回にわたり、各自の造形素材を研究してきた学生による「卒業制作?学習発表展覧会」の企画を通し学内外へ向けた発表を続けています。事前調査として地域の公立小学校の協力を得て、作品展当日の見学、担当教員との情報交換、題材分析を重ねた学生たちは、展覧会のコンセプトを練り直し、具体的な展示方法を再検討することができました。現場教員による児童の能動的な鑑賞態度を生み出す展示方法や、子どもガイド等の取り組みの工夫を学ぶことで、「図工科における指導とは、知識や技能をただ教え込むだけでなく、児童の感性と意欲を刺激して彼らの創造力を引き出すのだ」という新たな教科観を学んでいます。
算数?数学教育
数学的な考え方、数学的活動、教材研究
算数?数学教育の教材研究や指導法などを含めた各自の関心あるテーマについて、知見を深めるための活動を行っています。算数?数学教育に関する文献や資料を読み、発表や協議での質疑応答を通して、重要概念を追究したり、時には自身の思い込みを修正したりします。また、実際に算数?数学の問題に取り組んだり、具体的な学習者の活動を考えたりすることで、考察を深め、さらなる理解へとつなげていきます。最終的には、このような取り組みを通して、算数?数学教育に関する現状を理解するとともに、自立的に考えを深めていくことのできる力を身につけます。
幼児教育、保育
幼児理解、遊びと学び、認保幼小連携
保育や幼児教育は、子ども理解から始まると言われています。本ゼミでは、子どもを理解し、人生の土台を築くための保育や、幼児期の遊びが子どもにとってどのように学びへとつながるのか、その意味を探っていきます。ゼミ生は、先行研究から得た知見や、フィールドワークでの実践事例をもとに発表を行い、討議を重ねながら理解を深めていきます。また、遊びの伝承者としての役割を担うことをめざし、ゼミ生が保育園を訪れて伝承遊びを伝えるフィールドワークにも取り組んでいます。たくましく生きる力を育むために、幼児期の遊びが果たす役割を理解し、その遊びと学びを支えていくことを大きな目標としています。
発達心理学、子育て支援
子どもの育ちにかかわる問題について発達心理学の視点から探究します。
「私たちは生涯にわたり変化し続ける」という生涯発達心理学の視点に立ち、心身の発達、保幼小連携、子育て支援など、子どもと保護者の両側面から興味のあるテーマを選び、探究します。ゼミでは3?4年生でグループを編成して意見交流を行い、学年の枠をこえて切磋琢磨しながら研究を進め、関連する文献を読み込み、アンケートやインタビューなどの調査を行います。 そして、各自の研究成果に関するプレゼンテーション、その後のディスカッションを通して学び合います。このようにして、学生は今日の幼児教育?保育?福祉の現状と必要とされている課題に対する理解を深め、子どもおよび保護者を支援していく実践力を身につけていきます。
幼児教育?表現教育
保育実践研究?表現教育(音楽?身体?造形)
幼児教育に関わるさまざまなテーマについて、保育実践活動を交えながら取り組む実践型のゼミです。通常の演習形式に加え、保育実践のための実技研究のほか、身体遊び?音楽遊び等の「遊びの実践研究」を通して、自らのテーマを探り、研究を進めていきます。そのほか、音楽表現?身体表現?造形表現といった表現活動を幅広く学び、表現の中でも研究したい分野が共通する学生でグループ制作も行います。討議、制作、練習、発表のプロセスの中で、保育者として求められる保育実践力に加え、他者と協働しながら作品を作り上げる力を身につけることにつなげていきます。