帝京大学薬学部
環境衛生学研究室 教授
山本秀樹 先生
1994年ハーバード大学公衆衛生大学院修了。岡山大学にて勤務のかたわらAMDA(アジア医師連絡協議会)事務局長?副代表を務める。2011年公衆衛生大学院の設立にともない、帝京大学教授に就任。2020年より現職、地域社会で活躍する薬剤師の育成を目指す。
公衆衛生の指標となる平均寿命や乳児死亡率の低さにおいて日本は世界トップレベル。新型コロナでも日本の公衆衛生レベルの高さが浮き彫りになった。
第二次世界大戦後は、保健医療制度が十分ではなかった。地域住民が地域社会で保健改善、生活改善、栄養改善の役割を担い、公民館で公衆衛生活動の意識を高めていった。
「ハエのないまちづくり」「生活改善」「減塩運動」などを展開することで、日本の公衆衛生は劇的に進歩。現在の高いレベルのベースを作った。
2014年には、ユネスコ主催の世界公民館会議が岡山市で実施された。この社会教育と公民館のシステムが、新しい社会課題の解決に大きく貢献できる可能性がある。
ユネスコは、日本の公民館をモデルに、主に成人の識字学習や生活改善を目的とした場(CLC)をつくり、1990年代からアジア諸国で展開。
帝京大学のある板橋区はSDGsの全国自治体ランキングでトップ10圏内(都内ではNo.1!)。社会教育活動が活発なエリアなので、地域と大学が連携した公衆衛生と地域の社会教育の先進事例を構築すれば、大きな存在感を示すことができる。